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April 25, 2005

インファナル・アフェアⅢ

Ⅰ、Ⅱを3ヶ月前にDVDで見てから、待ちに待っていました。その期待を半分にして見に行きました。封切り後、賛がやや多めとはいえ賛否両論でしたから。

物語が進行している間、ほぼずっと感じていたのは、この作品は「つまらない」(と書いている声も結構あった)のではなく、「むずかしい」のだ、ということ。むずかしくて話の展開を理解できない人にはつまらないことまちがいなし。それは学校の授業と同じです。

しかも、いくつもの難しさが重なっています。ⅠとⅡを見て覚えておくことが必須なのは無論。
次々と変わるⅢのシーンがⅠ、Ⅱの時間軸のどこに当てはまるのか瞬時にわからなくてはならない。人物の感情も計算に入れて。Ⅲではじめて現れる夢(主人公ラウの空想)と現実のよりわけにもとまどいます。
何よりも、説明がほとんどない登場人物の行動の連続。何を何のためのやっているのか、画面を集中して見続けほんのわずかな暗示で想像してゆかなくてはならない。何を車の下につけたの?誰を追っているの?郵便ポストから出る煙は何?マリーはテープを聞いたの?自動車事故は?あと、3回くらい見ないとわからないのではないでしょうか。
そして、最後に近いあのシーン。あのテープから、ラウの声が流れた、まさにその意味。ヨンのはめた罠なのか、ラウのおちた地獄のはての行動なのか。深くてこわい。

けれども、たくさんの難しさのあとで、わたしはとても心地よくエンドロールを見ていました。
テープから流れるラウ自身の、ラウの破滅を呼ぶ声。
そして、ヤンとヨンとシェン(影)。3人が互いに見つめるまなざし。
連続するこの2つのシーンで、物語を見ていたわたしの心は浄化される。映画の語るすべてが終わって、作品が告げているメッセージはとてもシンプルなのだったとわかる。

悪は、ただ落ち続けてゆく地獄なのだ、と。
悪は人を破滅させる。攻撃を受けた者も、悪に身を置いてしまった者も、その両方を。

それでも、男の友情は存在し続けるし、男と女の間に愛は生まれるし、消えない。

トニー・レオンのかっこいいこと。でれっとした愛好をくずしてにたつくあの顔ったら。危機の瞬間、計算を止めて一瞬の判断だけで動くときの野生のけものの表情。トニー・レオン満喫の映画と言ってもよいでしょう。
そんなわけですから、美しさや哲学的な倫理観の分野の感受性が強い人が満足する映画です。ミステリーが好きな方にも良いかもしれません。逆にマフィア映画、アクション映画、暴力やホラーなど生理的な刺激を映画に求める人には向かない。ハッピーエンドが好きな人は癒されます。人生の不条理や無常観、悲劇などを題材として好む人には、詰めの甘さを感じて不満が残るでしょう。

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Comments

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