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April 05, 2006

ライフインザシアター 第一夜

4月4日。北千住、シアター1010。7時開演。

この1ヶ月の間に相当悪い予想をたて、竜也の舞台の幸福を味わえないという覚悟をしてきた。市村さんの軽い(ちゃらけた)芝居に「乗り込んでゆく」という感じ半分、おしゃれをして竜也に会いに行く幸せな気持ち半分で、劇場へ。ほどよい広さと居心地の良さを感じさせる劇場。前方の席の傾斜がなく4、5列目あたりは少し見にくいかもしれない。今晩の席は16列目、後ろにあと4,5列しかない後方。センターよりやや左で、タツヤの立ち位置の正面。

大仰な音楽で始まる。正面に舞台から客席を見た書き割り。あ・・・ダメかもと思う。舞台空間のたたずまいから作品は始まっているから。「だめ」の覚悟が再確認される。

舞台上のふたりの役者がラストシーンの音楽の中で書き割りの客席に向かって、つまり、実際の客席にはおしりをむけておじぎをする。舞台のカーテンコールの場面から、ふたりの役者の「ライフインザシアター」がはじまる。

ふたりが舞台で演じるシーンと楽屋でかわされる会話が断片的に連なってゆく。短い場面転換は、あらかじめ予習してあったので違和感なし。脚本家が1枚の絵のために場面をコラージュしてゆく。その展開の早さはなかなか快適です。

芝居が半分くらい進行したころに、この芝居の主役がわかった。
芝居の主役は「舞台」そのものなのだった。役者ふたりは「舞台」を語るための狂言まわし。
この作品を「舞台を語る詩」だと演出家は言っていた、その意味がわかった。舞台の中の人の生が水滴のように連なって、舞台という水面を見せてくれる作品。

だから、市村さん、あなたが主役をやってはいけない。
竜也も主役ではない。
ふたりの役者の人生に過剰な意味づけをして演じてはいけない。

シーンの断片がしゃれたコラージュになって観客に軽やかな快感を与えながら、舞台にとらわれた役者たちのはかない姿、舞台が役者にあたえる麻薬、美しさの裏にある舞台の残酷さが1枚の絵になる。舞台は怖い神だ。しかし、ひとは大きな神に捉えられた小さき者として懸命に生きる。それゆえに、神が持つ残酷さも恐ろしさも、けして人をそこなわない。その姿を描く作品なのだと思う。

だから、市村さん、あなたが主役をやってはいけない。
竜也も主役ではない。
ふたりの役者の人生に過剰な意味づけをして演じてはいけない。
展開されてゆくシーンの連なりそのものに、かたらせるべき作品なのだと思う。

キレイ系舞台マニアの友人とわたし、はじめは市村さんと竜也のふたり芝居のニュースを歓喜をもって受けました。ところが、雑誌上などで市村さんの言動を知るにつけ、彼のことを「ちゃら市」と呼びはじめ、舞台を見てその呼び名は確定しました。そんなに頑張って笑いというより・・・「受け」をとらなくてもよいのに。じわっとわらい、じわっとこおりつき、小さな灯火のような幸福を見る、そんな作品にすれば、「詩」であったのに。

市村ファンにも、竜也ファンにも、物足りない舞台だったとおもう。カーテンコールの拍手に勢いがなかったもの。竜也の舞台でスタンディングしなかったのも初めてだった。でも、悪い予想をきっちり立てていたから、実はかなり満足している。2時間の8割方をオペラグラスで竜也だけを追って見ていた。あと3回、彼はどんどん深くなってゆくような気がする。市村さんに遠慮してる部分がどんどん取れてゆけばいい。

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