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August 14, 2006

王の男(DVD)

芸人(韓国のことばで広大クォンデ)チャンセン役カン・ウソン。
女形コンギル役イ・ジョンギ。
王ヨンサングン(燕山君)役チョン・ジニョン。

DVDで2度見た。来春(正月)日本でも公開されるという。映画館でもう1度見る。

名人と若い女形の、ふたりの芸人の螺旋のような心の結びつき。綱の上で、綱の下で、路上で、追手から逃げる草原で。
「相方と心を繋げて芸をするのに目がくらみ・・・」
芸に目が眩む。その通りです。わたしたちもいつも目を眩ませるのです、目を眩ませてくれる芸を求めて、あきれるほど高いチケットを、大変な手間暇をかけて、買うのです。力いっぱい感想を語るのです。まったくもって、目を眩ませているのです。
このたった一言のせりふだけで、思い出してじんと幸せになる。

ふたりの最後の芸を見る王のうれしそうな笑み。
孤独地獄だった王の人生を、たった一度最後に、心を解放させて本当に笑わせて終わらせてあげた。心に哀しみを持つ者にそれがどんな悪人でもどこかで救いを与える、脚本と監督の心の優しさに、拍手。
チョン・ジニョンさん、主役ふたりに評価が集まって賞を逸してしまったけれど、わたしは、あなたにはなまるをあげます。
王がコンギルを呼んで、先王と母を失った王子(自分自身)を影絵で演じる。狂うしか父と母と自分を忘れる方法のない王の悲しみに、あたしは泣きました。もしもこの人物が芸の世界で生きられたら、他人も自分も苦しめる不幸を背負わずに解放されただろうと、そんなことまでも思いました。
死ぬ前に、笑うことが出来て、よかった。
それほど深い孤独さえ癒す力を、芸は持つ。だから、芸をする者も、観る者も、その力に目を眩ませる。

どの場面でもどの登場人物にも、気持ちよく感情移入できる映画でした。

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