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November 09, 2006

演劇と映画

サブタイトル デスノートThe last name でわかったこと。

2006年11月6日月曜日の昼過ぎ。渋谷。
平日の昼に、なぜこんなに小学生中学生高校生がうじゃうじゃといるのかいな。ちゃんと学校行っているのか?、1時間半前に映画館に行って、「立ち見の席になります」って・・・原作漫画の人気?公開前に前編をTV放映した日テレの作戦勝ち?

見終わって。

監督にはおめでとうを言います。前編でこき下ろしてすみませんでした。作品としては、良くできています。相変わらずエキストラの下手さはあったものの、前編ほどの惨憺たる有様ではなかったし。主要キャストの松山くん、鹿賀さん、ミサ役の女の子も、上手でした。何も文句はありません。映画の雰囲気によくあっていました。特に松山くんは良いところを全部もって行ってファンをふやしたことでしょう。観客に見せたい自分を巧く見せていた。脚本は原作のくどさを払拭して、話をよくまとめていたと思います。

で、以下、藤原竜也について。

おすぎだかぴーこだかが、ミスキャストと言っていたとか。
むっとしたのですが、見終わった今は、当たっていたなと思う。竜也が悪かったのではない、むしろ、彼の演技力は十分に発揮されていた。にもかかわらず、2時間以上、竜也が主役として出ている映画を見終わって、マニアの私が幸福になれなかった。考えました。そして、わかったことに愕然として、それでも、竜也について考えたことを書かずにはいられない病気ですから、書きます。

あの脚本で、夜神月をやって、私が満足できなかったとすれば、
監督も脚本も周りの演技人も悪くないとすれば、
結局、見る側の私自身か藤原竜也くん自身に原因があるとしか思えない。

映画館を出て渋谷の人混みを歩きながら、悲しくなるほど満たされていない気持ちに自分で傷ついて、
頭に浮かんだのは「三匹の侍」のヒラミキだった。
あのものすごいナルシシズム。照明を全部自分に集めてしまう強烈なナルシシズム。結局、映画では自分が「どう写っているか」「どう見られるか」がすべてなのだ。映画での演技とは「自分をどう見せるか」ということなのだ。

竜也が舞台の上で天才なのは、彼が「何者か」になっているからで、そのとき彼は、カメラに自分がどう写っているかという視点を全く持っていない。かれは自分がつくる世界の中にいる。その世界の中で息をしている。観客は彼がいる世界に釘付けになる。

映像出身の俳優が舞台に立ってしまって「自分がどう見えるか」ということばかり気にして演じたときの、「あちゃ~」という感じ。舞台を学芸会にしてしまうる強烈な下手さ。彼らが「見られたい」という中途半端な自己顕示欲を、舞台の上で捨てられないからだ。

逆に、自分を見せたいという自己顕示欲がない者が映画のカメラの前に立つとき、彼はカメラに何を見せているのだろう。竜也は見せたい自分など持っていない。「彼がいる世界」を観客に見せているだけなのだと思う。

映画俳優と舞台の役者は違う。映画俳優と舞台の役者は求められている資質が違い、竜也は舞台の上でこそ彼の才能を発揮する。
竜也がナルシストでないと痛感したのが、9月中旬に新宿でやったデスノート後編の街頭プロモーションだった。もう忘れてしまいたいあの映像が、今日の「幸福になれなかった」答えなのだと思う。

舞台はそこに作り上げられた世界をどう見ようが私の自由。わたしは役者と演出家が完璧に作り上げた世界を私の視点で存分に味わう。良い舞台が終わったあとには、好きなだけ好きな形で反芻できる。優れた役者の舞台であれば、私は演じた役者のいた世界を彼らと一緒に味わっていられる。
(私は、映画ではそれが出来ないのです。これは私自身の能力の問題なのですけれど。)

私が藤原竜也くんの舞台を愛しているのは、彼がまさしく優れた舞台役者だからです。
デスノートの夜神月をもし舞台でやったら、わたしは泣いたと思う。夜神月が悲しくて。でも映画では泣けなかった。

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