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February 12, 2007

二月大歌舞伎 夜の部

2007年 2月 9日

仮名手本忠臣蔵 昼夜通し公演の夜の部 五段目・六段目・七段目 十一段目

1階、席のすぐ前が1等席と2等席を分ける通路。左の通路を隔ててすぐに花道を見るという、最高の2等席。
客席の斜度が少ない歌舞伎座では、中途半端な1等席よりむしろ嬉しい席でした。

今月は、断然夜の部です! 朝日新聞の劇評では昼の最後の道行き(時蔵のお軽、梅玉の勘平)を「近年の収穫」と絶賛していましたが、仁左衛門と玉三郎の兄と妹。私が選ぶのはこちらで決まり。
ふたりの絡みが始まると、客席がぴーんとしまりながらそれでいてつぼみがほころぶように客席のあちらこちらで心が沸き立ってくる気配。華やかな緊張。そんな空気を味わえるまたとない時間です。

吉右衛門の由良之介に3日で明ける身請けの話を約束されるときのお軽のかわいいこと。
お軽がお里に手紙を書く。そこへ知らずに兄平右衛門。ふたりが互いに兄妹と気づくまでのちぐはぐな可笑しさ。一転、兄妹と知って、恋しい夫の消息を聞こうとするお軽、死んだといえない兄。切なくて、しかもなお可愛くて。

やがて兄は由良之介がお軽を殺すつもりだと気づき、それならば自分の手でとお軽に刀を向ける、分からないままお軽は必死に逃れる・・・ふたつの体の身のこなしの軽やかでいてあでやlか、くるくると体を入れ替える様に、忠義を一心に思い詰めた兄と、妹の真っ白い困惑とが、ふたえに舞うように見えます。
夫の死を知ったお軽、死んでくれとたのむ平右衛門。愁嘆場です。しかし、あくまでも、お軽は童女のようにかわいくけなげなのです。匂い立つように美しくたおやかでいて、あどけない。こんな女性はいません。いないから、玉三郎の演じるお軽が、この世のものでないかわいらしさを放つのです。

仁玉の美しさは、人という存在のかわいさ、かわいらしさの中から匂い立つ。こんな美しさは滅多にありません。性別も年齢も超越してしまいます。

この日は、菊五郎さんも吉右衛門さんも上手でした。菊五郎さんのあわれさ、人間らしさ、吉右衛門さんの品の良さも楽しかった。
でも、板の上を別の世界にしてしまうのは、仁玉のお二人。ごちそうさまでした。

追記
志の輔落語で頭の中に焼き付いていた斧定九郎。
花道をたたっと走り、破れカサをくるりと開いてしぶきを散らし、ぐしょりとぬれた前髪をつぅとかきあげる・・・・はずだったのに、みごとに違いました。演出が違っていたのですから、しかたないのでしょうが、でも、体型と年齢を考えると、染五郎あたりにやってほしかったです・・・・。

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