スタジオライフ 夏の夜の夢
5月3日 マチネ スタジオライフ 夏の夜の夢
GWの思わぬ拾い物!![]()
トーマの心臓など萩尾望都さんの作品を男性だけで舞台化する劇団。
大好きな萩尾望都さん。しかし・・・躊躇していた。少女マンガの世界の「実写版」はちょっとこわい。
役者にもコアな観客にもついて行けないような気がする。
気が変わったのは、3月、本多劇場でカトケンと共演した山本芳樹くんが良い感じだったから。
山本くんを見ようかな。オケピに出ていたチケットをゲット。
シアターサンモールは少々妖しいゴシック風の建物。
場内は慣れたコクーンやパルコに比べるとそこそこ狭い。
この狭さでは、役者がおけジャニ学芸会だと、息ができないぞ。妙な緊張。
さて、始まった。
初めはね、今時の男の子の、なんだか似合ってるお化粧の顔に、素人臭い舞台かと思ったの。しかし、
どうしてどうして、
高校の文化祭のノリでいながら、シェークスピアをきっちりとしゃべっている!
全編、最後まで、ほぼどの役者も、きっちりと、シェークスピアをしゃべりきった。お見事!
去年の蜷川「お気に召すまま」よりも、はるかにシェークスピア劇の世界だった!
妖精の女王、妖精の王様。ちゃらけているようで貫禄十分。自分に酔っている重厚感が良い。
彼らは観客の前に繰り広げられるばかばかしい夢の世界を指揮する者。
公爵と新妻の堅さも、間違っていない。この作品の登場人物の中で唯一「観客側」の人物なのだから。
新妻は最後に夢の語りと農民の演じる劇を見て、自分のかたくなな心の中に隠された愛に気づく。その場面が観客の気持ちと一緒になって感動的なのです。
そのほかの登場人物たちはみんなあっちの世界の住人。妖精たちは無論のこと、行き違う二組の恋人たちは夏の夜の夢を見る張本人たちなのだし、劇中劇を演じる農民たちも演劇というあっちの世界に行っちゃってる人たち。二組の恋人たち、夢の中にいるときは頭にいかれた花つけて。
つまり、あっちの世界へ行っちゃっている者どもが、こちらの世界の観客に「真夏の夜の夢」を披露して、
私たちがあっちの世界のばかばかしさを笑う。
笑いながら、その笑いは実は、自分たちの姿が写っている笑い、
それがこの作品の真髄なのです。
とってもよく分かった。本当によく分かった。
脚本・演出の力がシェークスピアのど真ん中を貫いたのですね。快感でした。
去年の「十二夜」でも思ったけれど、シェークスピアは男性だけの役者の世界で演じてこそ。
彼の女性への毒は、女性が演じると、見ていて痛くなる。
男性が演じれば「異形」の真実になる。
浄瑠璃は人形が演じてこそ生臭さが無く、歌舞伎は男性が演じてこそうそっぽさがない。美しさが切っ先のように表出する。シェークスピアもまた、男性が演じてこそ、人間の真実がそのまま見える。
そんなわけで、スタジオライフでシェークスピア、次作も期待します。
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