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August 02, 2008

大坂 七月大歌舞伎 昼

2008年 7月23日
新幹線で大坂まで。大坂松竹座で仁左衛門さんに会う。

歌舞伎座に比べてこぶりな劇場。左右の桟敷がないので横の広がりにややかける。
しかし、この大きさが大坂のお客さんの暖かさにはちょうど良いのかもしれない。
11列目、花道のすぐ右だったからか、役者と客の距離が東京よりすっと近く感じる。
なんというのかなぁ、つんとすました感じがないのかなぁ。観客の服装は真夏だというのに和服も多くて、京都の舞妓さんが旦那に連れられて見に来ている風もあり、東京よりもずっと「ハレ」なのだけれど、すましてないのね。東京とソウルの間に大坂がある、という友の言葉がすっとはいる。

歌舞伎見るなら歌舞伎座、と思っていたけど、

歌舞伎見るなら大坂、かも。

そして、2度目の仁左衛門さんの「伽羅先代萩」。
歌舞伎の物語性の楽しさを知り、歌舞伎座3階東から見おろす舞台にはまり、仁左衛門さんの芝居の独特のオーラを知った、記念の演目。

今日はこの席で見られて良かった!
仁左衛門さんの八汐は相変わらず憎らしい。しかし、憎らしいけど許しちゃう。綺麗な人が悪役やると、悪役に入れ込める。そこが生身の人間がする舞台の愉快。快感。
さらに、前回やってほしかった、と思った八汐の兄・仁木弾正との二役。
前回は、なんかややメタボの普通の悪役だったこの役。
ところが、
仁左衛門・弾正が花道のすっぽんからせり上がって・・・・青白い光。この世の者ではない妖術師が浮かぶ。
納得。この場面がこの物語にある理由が一瞬でわかった。これが仁木弾正だったのか!
これほどの悪役に対抗するから、政岡は我が子の命を見殺しに(犠牲に)闘ったのか。

 (ときどきこんな既視感を楽しむ。仁左衛門・弾正は、わたしがずっと知っているあるひとの姿でした。
  三国志諸葛孔明。こんなところで、孔明にまであえるなんて。ありがとうございました!)

最後の対決・刃傷の場面まで、まさしく仁左衛門さんを見るための伽羅先代萩。

そのうえ、実はこの演目の白眉は籐十郎さんの政岡。
政岡は主の子・鶴千代の命を守るために我が子千松を犠牲にする。歌舞伎の演目でいつも出てくる忠臣と親の愛のはざま。

敵方も味方もすべていなくなったとき、中央で躯となっている我が子の死をはじめて見る政岡、
そこからが凄かった。

籐十郎・政岡はなかなか我が子のところに近寄らない。
幾度も幾度も敵の姿が消えた花道の向こうを伺う。
悲しむ姿を見られてはいけないと、躯になっている我が子に背を向けて、
誰もいなくなったことをなんどもなんどもなんども伺う。主のため、だけでなく、それよりもなお、犠牲になったわが子の死を無駄にしないためにも。
そして、誰もいなくなった空(くう)を凝視したまま、突然、母に返る。

武家の土地東京では見られない。男の論理の東京では表せない。歌舞伎座で見た政岡とは全然違った。
かくしとおしたからこその、ものすごい、母の情だった。

よかった~新幹線で見に来た甲斐がありました。

他に、「春調娘七草」
菊之助は若武者もきれい。松禄もりりしい。

「血判状」
我當さんは、確かに仁左衛門さんの兄上。若武者ぶりもすがすがしい・・・のだけれど・・・やはり実年齢に近い若者にやってもらいたいのだった・・・。くせ者を演じさせたらピカイチの左団次さんが家康の狸爺ぶりを気持ちよく演じていた。大坂の人はほんとに家康を嫌いなんだなぁと、とてもよくわかった。

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