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July 20, 2010

真夜中のパーティー

2010年 7月 18日
マチネ 13:00 パルコ劇場

パルコなので、チケットを取りました。
40年前のアメリカの戯曲で、映画が有名だそうです。
この素材は映画も面白そう。見てみようかな。

脚本は
60年代の病んだアメリカそのもの。ホモセクシュアル、上流階級、知的エリート、 表面の明るさと裏面の闇。
主人公のマイケルは「ゲイ」でゲイの仲間の一人ハロルドの誕生パーティーを自宅で開く。
当然客たちもみなゲイ。

ところがそこに、突然、大学時代のルームメイトアランが訪れる。
アランはしんそこのストレートでマイケルは彼とルームメイトだった頃はまだカミングアウトしていなかった。
だから、マイケルはアランにゲイの自分を見せたくない。

しかし、妻との離婚で傷心のアランをマイケルはひきとめる。
アランはゲイ仲間のひとりで天真爛漫なエモリーの「おねえ」言葉に激高。
唯一自分と同じまともな階級の人間だと感じた教師のハンクもゲイだったと知らされ、帰ろうとする。しかし、なぜかマイケルは執拗にひきとめる。

マイケルはパーティーの遊びを提案する。
自分が一番愛している人間に電話をして「愛している」と言うゲーム。

みんなはいやがるがマイケルは内心見下している黒人のバーナードや人の良いエモリーにゲームを強制する。
ゲームはバーナードやエモリーの大切な思い出を傷つける。

仲間の中で一番冷静で「普通」に見えるハンクが受話器を取る。
同じ場にいるラリーに愛していると告げる。
ラリーはハンクが求める貞節を拒否し他の相手も愛することをやめないと宣言する。
彼はあくまで自分を変えない、しかしそれでも、ハンクを一番愛していることも事実なのだ。
ラリーもまたハンクに電話で愛を告げ、二人は和解する。


マイケルはアランにも「一番愛している相手」に電話をさせようとする。
電話の相手はマイケルともアランとも共通の大学時代の友人。
アランはその友人と「とても親しかった」としか言わない。
しかし、マイケルは知っていた。
友人はゲイで、アランは彼を愛し彼と関係を持っていたのに、彼を捨てて今の妻と結婚していたのだった。
マイケルはアランに彼を愛していることを認めさせようと受話器を突きつける。
この電話こそ、マイケルがゲームを提案した目的だった。

アランは電話をする。愛してる、と。
しかし、その相手はマイケルが望んだ大学時代の彼ではなく、離婚した妻だった。

おやおや、つい筋をかきこんでしまいました。

かきこみたくなるほど、よく練られた脚本です。

それぞれの登場人物が傷をもち、その傷口をわざと開かせてゆくストーリー。

黒人やユダヤやゲイの、マイノリティーが抱える苦しさ。
しかし、それぞれが自分の抱える苦しさとむきあい自分に正直に生きている。
バーナードもエモリーもハロルドも。

出自がマイノリティーでなくても、結婚し二人の子どもまでいる普通のアメリカ市民の地位と立場を得ていながら、本当に愛している対象に気づき、まっとうなアメリカ市民の立場を捨てたハンク。大きな犠牲をはらって貫く誠実さ。

そんななかで、たったひとり、マイノリティーである自分を受け入れていない、自分を好きでいないのが
パーティーの主催者のマイケルだった。

マイケルはアランとの共通の友人を愛していたのか。
彼に選ばれたのがアランだったことで、嫉妬し憎んでいたのか。
それとも、あくまでストレートの世界にいようとするアランを自分と同じ側に引き込みたかったのか。
自分と同じ人間がほしかったのか。

マイケルはアランの偽善を暴こうとして、自分自身の嘘を露わにしてしまった。


などなど、じつにさまざまに考えさせてくれるよくできた脚本でした。

マイケルを演じる役者さんが

たとえば、中井貴一さんだったらねえ。

もう、それだけで、
脚本を思い返す必要もなく
生でその場で、ひりひりとした痛みや残酷さや哀しさを
感じる舞台になったと思うんだけどね。

どうでしょう、蜷川さん、

この戯曲、やってみませんか。

若い役者では、病んだアメリカは演じられない。
病んだアメリカを演じないと、
今の病んだ日本が同じだってことが伝わらない。
 

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Comments

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