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August 2010

August 26, 2010

スリーベルズ

スランプと言うよりは、人生のギアチェンジ。小さな善意に癒されて。

どっちがよいのかはわからない。

そんな中で 後藤ひろひとの「スリーベルズ」を見た。
2010年 8月 25日 18:30開演
パルコにはずれなし、と取っていたチケットだったけど、前日から行きたくなくて、よほどやめようかという気持ちが当日午後も続いた。

出演者で知っている名前は石丸謙二郎さんだけ。
作・演出の後藤ひろひとは映画「パコと魔法の絵本」の脚本で有名らしいけど、この映画、賛辞は多かったけれど破壊的笑いのようで見に行かなかった。
今日の舞台も今時の笑いだったら、疲れるな。その上マニア的なファンが多い客席は苦手です。

まあ、それでも見に行ったわけです。
もしも、良い舞台だったら、その時空を逃したくない、その一念で。

見に行ってよかったー!;:゙;`(゚∀゚)`;:゙
行ってよかったーo(*^▽^*)o

気持ちが疲れているときに素直に笑えて泣ける。

志の輔さんの人情話のような芝居でした。

3つの別々の物語が、つぶれかけているスーパーの屋上にある鳴らない鐘でつながる、「クリスマスの奇跡の物語」。
3つの小さなお話しのどれにもあざとい人間が出てこないのがよかったな。
お話しは深くはないけれど、今の日本の社会って深くなりようがないんだね。だから、キャラクターで物語をつくる。

恋人が突然死んでしまった15年間を笑いを失ってすごしてきた若い女性(ちすん)、同じ男の子を好きだったけど譲って親友でいつづけてお笑い系キャラで生きている女(明星真由美)、トラックにはねられたあと15年眠り続けて突然来た未来に大喜びの元少年(ウーウェイよりたか)、今の社会の暗さを歌って通行人にいつも殴られるストリートミュージシャン(岡田浩輝)、人をだましてカネをまきあげる男(音尾琢真)、息子にだけは甘い暗黒街のボス風(団次郎)、ボスに忠勤をつくす殺しや兼召使い(佐戸井けん太)、親父の溺愛でひねくれきっているませた子ども、つぶれかてけたスーパーの店長(石丸謙二郎)にはキャラ立ちはないけれど、台車を芸術的にころがす芸があってものがたりのつなぎ目でもある。

そのキャラクターを演じた役者さんがみんな良かった。

特に女性二人。主人公美女ふうのちすんは、悲しさや怒りを表に出せないかぼそさ、辛いことを忘れる不思議な機械を使ってニコニコさんになってゆく天真爛漫、一番辛く一番大事な恋人の死を忘れた傲慢な化粧女まで、破綻なく演じてひさびさに女優さんに「お星様」を感じました。かぐや姫やらせたい。

対する親友役のお笑い女の明星真由美さん。間の取り方、相手との呼吸感が抜群で、きっと頭良い女優さんなんだろうなぁと思ったら案の定、早稲田演劇研究所出身。

詐欺師なのに子どもを見つめ駄目親父をしかる男の音尾くん。大泉洋と同じ事務所で龍馬伝にもでていたそうで、どうりで、演技が安っぽくならず存在感がある。存在感のある俳優さんを身近で吸収しているのでしょう。

やくざの親分なのに息子のままになろうとして赤ちゃん扱いしかできないなさけないパパの団次郎さん。重厚なのに間抜けな風情で、立っているだけでもそこに存在の意味がみえる。

ボスに尽くす佐戸井さんの軽いコメディがまた良い。客におもねらないコメディアンは好き。

15年間眠り続け、突然目覚めて、未来に来たと無邪気に喜ぶうーうぇぃよしたかくん。これはキャスティングの勝利でした。お笑い系の人には真剣な集中力があるのでしょうか。ぴったりの天然のボケに集中していて、目覚めてから1日で死んでゆくのがわかっているその彼に、観客みな素直に涙でした。

子役の少年も自然でした。憎らしいときも可愛いときも。

反対側から考えてみれば
あざとくない人間関係って、
これだけ作品をつくりこまないとなりたたないのでしょうか。

決して深くはないけど、今生きている私たちの中にありそうな小さな喜びや悲しみをメルヘンでありながら等身大に見せてくれました。

見に行ってよかったぁヽ(´▽`)/

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ちょいとスランプ?それともギアチェンジ?


今年5月以降の観劇に少々徒労感。

5月の「マスストラップ」はクリスティの作品という期待ほどには面白いホンではなかった。
6月の「ナンシー」は西村智彦さんの演技が鼻について入り込めなかった。
熊哲の「眠れる森の美女」は舞台中に自分が激しい咳が止まらず。無念の涙。
7月の「キャラクター」は、それなりに楽しめたけれど、人形の家の宮沢りえちゃんにもレインマンの橋爪功さんにもダイバーの野田作品にもまったく届かず。
「醜男」は、ホンも役者もそれぞれには良かったのに、キャスティングとしてあっていなかった。
井上さん追悼の「黙阿弥オペラ」は面白かったし力強かった。ただ、竜也にだけ違和感でとほほになり。
パルコなのでトライしたダンス劇「空白に落ちた男」は動きに目を見張ったものの、メッセージのない作品は今ひとつ好きになれず。
「真夜中のパーティー」も8月の「宝塚ボーイズ」は役者たちが若すぎた。

雑念を忘れて楽しんだのはスタジオライフの「じゃじゃうまならし」だけだったのか・・・。
おとといの「宝塚ボーイズ」もスタジオライフでやったほうが良さそうだったなぁ。

向こうにある世界がすぐとなりにある、と感じたい。
自分の中にある、と感じたい。
だから、舞台を見に行く。
連日の暑さ。うんざり。
ぐっと低くギアチェンジした人生へのテンション。つかれる。
そんなことをわすれさせてくれる舞台をみたいよぉ!!!!


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