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October 10, 2010

キサラギ

ミステリと演劇の幸福な結婚。


2010年 9月27日
ソワレ シアタークリエ
クリエは苦手だったのだけど、
面白かったわ!!!!
良い本と良い役者は、入れ物を選ばないんだねぇ!!!

テレ朝のゴンゾウが良くて、内野さんを見直して、内野さんをあんなに魅力的にした脚本の古沢さんに注目。
その古沢さんを世の中に知らしめたキサラギと知らされれば、見るっきゃないって!

古沢さんは、ばらばらのピースをびっくりするような角度からはめていって、見ていた人を最後に驚かせる絵を作る、ミステリーが得意なのね。
堪能しました。
また、こんな、めっちゃわくわくしっぱなしのお話し書いてくださいね。

舞台に出て来ないアイドル・キサラギミキ-彼女は1年前突然自殺した-を愛する男たち5人、
最初は何の関連もなくただネットでキサラギミキおたくとして知り合っていただけの男たちが
実はみな、深く深くミキとつながっていた。まったく違うテイストなのだけれど、十二人の怒れる男によく似た作劇なのです。そこにいない人物が物語りの真の主人公。いない人間をめぐって、舞台の上にいて自分の体を曝している人間たちの関係が浮かび上がり、舞台の上にいる人間たちの「人間」が浮かび上がる。

ミキの突然の死の真相が、5人の男が絡み合うお笑いのテンションの中で、
ピースが入り込むように観客の前に表される。快感。ホンがよいと役者がみんな活き活きと動きます。快感です。これはホンと共に、演出の勝利でしょうか。

シーンは全く動かないのに、ミキのマンションや、行きつけの店、幼なじみとの風景が浮かびます。

ミキの熱烈なファン家元。松岡充くん。愛らしかった。アイドルを好きでいる切なさ、可愛さ。イケメン草食系の頂点だよ、君は。
ミキおたくのスネークは浅利陽介くん。立ち位置をころころ変える今時の情けない男を余すところ無く熱演。
福島からやってきた田舎の純朴な安男は実はミキの幼なじみだった。碓井翔大くん。田舎の青少年にしてはスレンダーでかっこよく見えすぎ、でも、あか抜けない男をあか抜けて演じてアクセントになっていた。
ミキのストーカーまがいのイチゴ娘中山裕一郎さん、怪しい中年男が実はミキを捨てた父親だった。
そして、謎をはらむオダ・ユージはミキのマネージャーだった。今村ネズミさんの落差のある演技がストーリーを動かす。

シェークスピアや歌舞伎の時代物のような大きな物語は今の世の中からは生まれ得ないのかも知れないと思います。無理ですもん。

でも、歌舞伎の世話物のような、このキサラギのような、小さな物語が時代を表しているのなら、
こんな素敵な小さな物語を楽しんで十分です。

たいていの人間が、みな、それぞれの小さな物語の中で生きている。
古沢さんの脚本は、その小さなピースを組み立てて生まれる絵を魅力的に描いてくれていると、
思いました。

それぞれが小さな物語しかもたない5人の男。
でも、彼らががあつまったから、はじめてミキの死の秘密が明かされる。

自分だけがミキを直接知らないただのファンだったと知った家元に、
知らされたミキの死の秘密。

観客は、
最後の「真相」を心温まる贈り物として受け取って、フィナーレを楽しむ。
素敵な物語でした。

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Comments

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